貧血の原因は?食べ物はどうしたらいいの?
- 2025年2月10日
- 食事・栄養
貧血と言っても、原因、症状、種類は様々です。症状がない場合でも、貧血が進んでいることもあります。貧血を正しく理解し、普段からの食事で工夫できることを確認していきましょう。
貧血とは?
血液中の赤血球の中には、Hb(ヘモグロビン)という鉄を含むタンパク質があり、酸素を全身へくまなく運搬する働きがあります。
貧血とは、このヘモグロビンが正常より少なくなっている状態のことです。
貧血時の症状は、動悸、息切れ、顔色不良、疲労感などがありますが、慢性的に進行していると、自覚症状が伴わない場合もあるため、健康診断などで定期的に確認することが必要です。
参考:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-074.html
貧血の診断基準
WHOでは、貧血の基準値を以下としています。
貧血といっても、赤血球の大きさ、ヘモグロビンの量や濃度によって、鉄欠乏性貧血、巨赤芽球性貧血、溶血性貧血などに分けられます。
原因は?
赤血球の産生量の減少、赤血球喪失量の増大による場合が考えられます。
産生量が喪失量を下回ると貧血が生じます。
そうなると、赤血球が酸素を運べなくなります。
鉄欠乏性貧血とは?
貧血の中でも、最も頻度の高い鉄欠乏性貧血は、ヘモグロビンの材料である、鉄が欠乏することで、ヘモグロビンが作られないために起こる貧血です。
鉄欠乏性貧血の原因は、ダイエット、偏食などの摂取不足、成長期・妊娠などによる鉄需要の増加、出血などによる鉄の損失、胃切除などによる吸収障害が主な原因です。
改善のためには、原因を精査し、必要であれば原疾患の治療をしましょう。
鉄欠乏性貧血の食事療法のポイント
進行している貧血は、食事療法のみでは難しい場合があります。そのため、食事療法の意味合いとしては、貧血を悪化させないため、そして今後の貧血の予防のために、取り入れられることが多いです。
体内の鉄を充分に確保していくために、日頃から食事には気を付けていきましょう。
3食しっかり食べる
特に朝食はしっかりとりましょう。過度なダイエットや食事制限は鉄だけでなく、様々な栄養素の不足につながります。
食事バランスを揃える
毎食、主食+主菜+野菜を揃えましょう。その中でも、主菜(たんぱく質)は、赤血球やヘモグロビンの材料になります。たんぱく質は一度に多くを吸収できないため、朝昼夕の3食に分けて、積極的に摂るようにしましょう。
鉄を多く含む食材を取り入れる
食材に存在する鉄は、ヘム鉄と非ヘム鉄に分かれ、吸収率が異なります。
ヘム鉄の吸収率は、約30%、非ヘム鉄の吸収率は約5%ですが、鉄の需要が高まっている状態では、吸収率が増加します。
参考出典:文部科学省 日本食品標準成分表2020年度版(八訂)
吸収を促進するビタミンC、造血を促すビタミンB12や葉酸を摂る
ビタミンCと非ヘム鉄を一緒に摂取することで、非ヘム鉄の吸収率を上げることができます。菜の花、赤ピーマン、ブロッコリーなどの野菜や果物と一緒に摂取することがおすすめです。
また、正常な赤血球を造るためには、鉄だけでなく、ビタミンB12や葉酸も必要です。日頃から不足がないように、摂取していきましょう。
ビタミンB12が多い食材・・・牛レバー、豚レバー、貝類、さんま など
葉酸が多い食材・・・菜の花、ほうれん草、枝豆、モロヘイヤ、ブロッコリー など
食事中のカフェインは避ける
カフェインは鉄の吸収を阻害する可能性があります。
食事中や食直後の緑茶、コーヒーなどは避け、カフェイン入りの飲料は、食間にとるように工夫しましょう。
食事療法により、急激な貧血の改善は難しく、状態によっては、鉄剤などの処方がある場合もあります。医師と相談しながら、治療を進めていきましょう。
ご不安なことがあれば、当院の医師や栄養士へ相談ください。個別にアドバイスさせていただきます。