高血圧の食事療法って?気を付けることは? ~減塩のコツ~
- 公開日:2025年11月27日
- 更新日:2025年11月27日
- 食事・栄養
高血圧の予防・改善には「減塩」が欠かせません。
「味気ない」「続かない」といったイメージを持たれがちですが、塩分の多い食品を正しく理解し、調理の工夫を取り入れることで、おいしく続けることができます。
●1日に必要な塩分摂取量は?
成人の1日の目標塩分量は、
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男性:7.5g未満
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女性:6.5g未満
高血圧のある方は、男女とも 6g未満 が推奨されています。
参考:「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
参考:減塩・栄養委員会|日本高血圧学会 (jpnsh.jp)
●塩分をとりすぎるとどうなる?
1)むくみやすくなる
塩分過多で血中ナトリウム濃度が上昇すると、体は濃度を下げようとして水分を溜め込み、むくみの原因になります。
2)血圧が上昇しやすくなる
水分量が増えた血液が血管へ負担をかけ、高血圧のリスクが高まります。放置すると、動脈硬化・心疾患・脳血管障害・腎臓病などにつながります。
●日本人の塩分摂取量の現状
実は、日本人は世界的に見ても塩分摂取が多い国です。
塩・しょうゆ・味噌などの塩分の多い調味料を使うことが多いため、塩分を摂りすぎている傾向にあります。
冬場は鍋やおでんなど塩分の多い料理が増えやすいため、より注意が必要です。
実際には、平均で男性10.9g、女性9.3g摂取しているというデータがあります。

参考:令和4年国民健康・栄養調査 結果公表|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
●味覚の特徴について
味は主に舌の「味蕾(みらい)」という細胞で感じています。味蕾は約1万個ありますが、40歳頃から減少していきます。つまり、高齢になるにつれ、濃い味を好む傾向になる方が多いです。
ただし、薄味を2週間ほど続けると、味蕾の数に関わらず薄味に慣れると言われているため、継続的に薄味の食事を続けていることが大切です。
参考:医学書院 人体の構造と機能(第3版)
●食材・料理に含まれる塩分
・主食
白米は塩分ゼロ。パンや麺類は塩分が含まれています。麺類はつゆをつける必要があるため、さらに塩分が加わります。

・たんぱく源
肉・魚の生鮮食品は、ほぼ塩分が含まれていません。しかし、加工食品(塩鮭・ウインナーなど)は調理工程で塩が使用されるため、塩分が増えます。

・野菜・果物
野菜・果物も生鮮食品であれば塩分はゼロです。漬物などの加工品や味付け次第で塩分が増えていきます。
・調味料
低カロリー調味料より高カロリー調味料の方が塩分は少ない傾向にあります。顆粒だしは、旨味成分の他に塩が含まれているため、塩分が多くなります。

●減塩テクニック
~食材の選び方~
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主食は、パン、麺類の頻度を少なくし、できるだけ白米にする
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ご飯のお供は控えめに、漬物の代わりに塩分の少ないふりかけなどの代用品を探す
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加工品ではなく、生鮮食品を選ぶ
~味付けの工夫~
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表面に味をつけて味を感じやすくする ※表面に味をつけるだけで味蕾は味を感じることができます
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塩・醤油・味噌に偏らないようにする
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七味やこしょうなどスパイスを効かせる
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にんにく・ねぎ・レモンなど香味野菜で風味付けをする
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ドレッシングは塩分表示を確認し、少ないものを選ぶ
~食べ方の工夫~
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麺類のスープは残す
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味噌汁、インスタントスープ、鍋などの汁物料理は1日1杯までにする
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外食時など、セットでついている汁物のつゆは半分以上残す
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弁当についている付属のタレは半分残す
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とんかつなどのソース類は“かける”より“つける”
●食事例の改善ポイント

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塩鮭 → 生鮭のムニエル
生鮭を使うことで塩分を抑え、塩分の少ないバターで香りづけすれば満足度も保てます。 -
漬物 → サラダ
生野菜で塩分ゼロに。
例では、サラダの味付けはマヨネーズを選んでいますが、塩分の少ないドレッシングを選んだり、カロリーが気になる場合は塩分の少ないノンオイルドレッシングも良いでしょう。 -
味噌汁 → 具沢山味噌汁
汁物はつゆに塩分が多く含まれています。具沢山にして、つゆの量を減らしましょう。
出汁は、昆布やかつおぶしなどから取るか、塩分が添加されていない顆粒だし、だしパックを使用するとさらにおいしく減塩ができます。
他の食事で汁物をすでに食べている場合は、汁物はなくても良いでしょう。
●注意点
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食欲がなく、あまり食事が摂れていない場合は塩分が不足していることもあります。そこで無理に薄味にしてしまうと、さらに食欲が低下してしまう恐れがあるため、状況に応じた味付けで対応しましょう。
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血液検査結果などにより塩分付加が必要な場合もあります。
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現在のご自身の塩分量、血圧など不安があれば、当院の医師、栄養士へ相談ください。
参考文献:
文部科学省:「日本食品標準成分表(八訂)」
厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
女子栄養大学出版部:香川明夫監修「外食・コンビニ・惣菜のカロリーガイド」
女子栄養大学出版部:牧野直子監修「FOOD&COOKING DATA塩分早わかり(第5版)」

