新型コロナはもう大丈夫?コロナワクチン接種は必要?(2026年度 版)   ― 最新の学会見解と川崎市の感染状況から解説します ―|武蔵新城駅の内科・糖尿病内科・内分泌内科|おばな内科クリニック

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医療コラム

新型コロナはもう大丈夫?コロナワクチン接種は必要?(2026年度 版)   ― 最新の学会見解と川崎市の感染状況から解説します ―|武蔵新城駅の内科・糖尿病内科・内分泌内科|おばな内科クリニック

新型コロナはもう大丈夫?コロナワクチン接種は必要?(2026年度 版)   ― 最新の学会見解と川崎市の感染状況から解説します ―

  • 公開日:2026年9月7日
  • 更新日:2026年9月7日
  • ワクチン

新型コロナウイルス感染症が5類感染症となってから3年以上が経ちました。

以前と比べると、新型コロナに関するニュースを目にする機会も少なくなり、

「最近はコロナもそれほど重症化しないのでは?」
「毎年ワクチンを接種する必要があるの?」
「何度も接種しているけれど、今年も必要?」
「副反応のほうが心配……」

と感じている方も多いのではないでしょうか。

2026年9月、日本感染症学会・日本呼吸器学会・日本ワクチン学会から、「2026年度の新型コロナワクチン定期接種に関する見解」が発表されました。

また、川崎市でも8月末にかけて新型コロナ患者の報告数が再び増加しています。

今回は、最新の学会見解と川崎市の感染状況をもとに、「2026年も新型コロナワクチンを接種する意味はあるのか?」について、わかりやすく解説します。

 

新型コロナは、今も流行しています

新型コロナは5類感染症となりましたが、ウイルスそのものがなくなったわけではありません。

全国の感染状況をみると、現在も冬だけではなく夏にも流行を繰り返す傾向があります。

ウイルス自体も変異を続けており、これまでの感染やワクチン接種によって得られた免疫を部分的に回避する変異株が流行することもあります。

川崎市でも現在、新型コロナの患者報告数は増加傾向にあります。

川崎市健康安全研究所のリアルタイムサーベイランスによると、2026年第35週(8月24日~8月30日)のCOVID-19報告数は、1医療機関あたり2.34人/週で、前週の1.89人/週から増加しました。

年齢別では40歳代が16.1%と最も多く、次いで10歳未満が15.1%、20歳代が14.6%となっており、幅広い世代で感染がみられています。

新型コロナが以前ほどニュースにならなくなったことと、新型コロナという感染症がなくなったことは、同じではありません。

 

高齢者では、今も軽視できない感染症です。

現在の新型コロナで特に注意したいのが、高齢者の重症化リスクです。

厚生労働省の人口動態統計によると、2025年に新型コロナで亡くなった65歳以上の方は21,003人でした。

同じ年にインフルエンザで亡くなった65歳以上の方は6,333人であり、新型コロナによる死亡者数はその約3.3倍でした。

また、2025年12月29日から2026年8月23日までにCOVID-19で基幹定点医療機関に入院した60歳以上の患者さんは10,230人にのぼっています。

新型コロナは、以前のように社会全体を大きく混乱させる感染症ではなくなりました。しかし、高齢者や基礎疾患のある方にとっては、現在も重症化や入院につながり得る感染症であることに変わりありません。

 

糖尿病のある方はどう考える?

当院に通院されている患者さんからは、

「糖尿病がある場合は、新型コロナワクチンを接種したほうがいいですか?」  

というご質問をいただくことがあります。

糖尿病のある方では、年齢や血糖コントロールの状態、肥満の有無、腎臓病・心血管疾患などの合併症、その他の基礎疾患によって、新型コロナに感染した際のリスクは一人ひとり異なります。

そのため、「糖尿病があるから全員同じように考える」のではなく、その方の年齢や健康状態を含めて接種のメリットとリスクを考えることが大切です。

特に、高齢の方や糖尿病に加えて腎臓病・心疾患などの基礎疾患をお持ちの方では、新型コロナに感染した際の重症化をできるだけ防ぐという観点から、ワクチン接種を積極的に検討してよいと考えます。

また、糖尿病の治療中だからといって、新型コロナワクチンを接種できないわけではありません。

当院では、普段の血糖コントロールや合併症、これまでのワクチン接種後の副反応なども把握したうえで、「今年も接種したほうがよいのか」「どのワクチンを選べばよいのか」について個別にご相談いただけます。

 

ワクチンを打っても感染する。それでも接種する意味は?

「ワクチンを打ったのにコロナにかかった」という経験をされた方もいらっしゃると思います。

新型コロナワクチンは、接種すれば絶対に感染しなくなるワクチンではありません。

現在、ワクチンに期待される大切な役割の一つが、感染した場合の入院や重症化のリスクを下げることです。

国内で行われた研究では、2024年秋のJN.1対応ワクチンについて、接種しなかった場合と比較して、65歳以上で発症を44.3%減少、60歳以上では入院を61.8%減少させる効果が報告されています。

さらに翌年の夏まで追跡した研究では、発症予防効果について統計学的な有意差はみられなかったものの、60歳以上の**入院予防効果は72.1%**と報告されました。

つまり、時間が経過すると「感染そのものを防ぐ効果」は低下していく一方で、高齢者の入院を防ぐ効果は比較的長く維持される可能性が示されています。

 

2026年度は、現在の流行株に合わせたワクチンに更新されます。

新型コロナウイルスは変異を続けています。

そのため、インフルエンザワクチンと同じように、新型コロナワクチンもその時期の流行株に合わせて更新されています。

2026年度は、XFGまたはNB.1.8.1に対応したワクチンが供給される予定です。

日本感染症学会・日本呼吸器学会・日本ワクチン学会は、今冬および来夏の流行に備え、高齢者に対して、流行株に合わせた最新の新型コロナワクチンの定期接種を強く推奨しています。

 

2026年度の定期接種の対象となる方

新型コロナワクチンは、2024年度から定期接種となっています。

定期接種の対象となるのは、

  • 65歳以上の方
  • 60~64歳で、心臓・腎臓・呼吸器の機能、またはHIVによる免疫機能に一定の障害がある方

です。

接種は年1回行われています。

 

一度コロナに感染した人も接種したほうがいい?

過去に新型コロナに感染した方も、定期接種の対象になります。

感染によって得られる免疫も永久に続くわけではありません。オミクロン株感染後の再感染を防ぐ効果は時間とともに低下し、1年以上経過するとほぼ消失することが報告されています。

そのため、過去に新型コロナに感染した方にもワクチン接種が推奨されています。

 

副反応や安全性が心配な方へ

ワクチン接種後には、注射した場所の痛み、発熱、倦怠感、頭痛、筋肉痛などがみられることがあります。

多くは一過性ですが、ワクチンである以上、副反応のリスクがゼロというわけではありません。

一方、「ワクチン接種によって死亡リスクが上昇するのではないか」という懸念については、国内外で複数の疫学研究が行われています。

日本でも65歳以上を対象とした研究で、1~2回目の初回接種だけでなく、3~5回目の追加接種についても死亡リスクの増加は認められていません。

また、新型コロナワクチン由来のスパイクタンパク質についても厚生労働科学研究で文献評価が行われ現時点で直接的な安全性上の問題を示す文献の存在は確認できないと報告されています。

もちろん、ごくまれな重篤な健康被害を含め、安全性について今後も継続して評価していくことは重要です。

 

インフルエンザワクチンと同時に接種できます

新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンは同時接種が可能です。

秋は両方のワクチンの接種時期が重なるため、通院回数を減らしたい方にとっては同時接種も選択肢になります。

また、医師が特に必要と認めた場合には、肺炎球菌ワクチンや帯状疱疹ワクチンとの同時接種も可能です。

 

当院で接種できる新型コロナワクチンについて

当院では、2026年度の新型コロナワクチンとして、以下のワクチンに対応しています。

● ファイザー社「コミナティ®」
当院で常備しているワクチンです。2026年度はXFGに対応したmRNAワクチンが予定されています。

● Meiji Seika ファルマ「コスタイベ®」
ご希望の方には、お取り寄せで対応可能です。2026年度はNB.1.8.1に対応した自己増幅型mRNA(sa-mRNA)ワクチンが予定されています。

どのワクチンを接種するか迷われる場合や、これまでのワクチンで副反応が強かった方などは、事前にご相談ください。

 

では、今年も接種したほうがいいのでしょうか?

新型コロナワクチンは、「すべての人が必ず接種しなければならない」というものではありません。

一方で、現在のデータからは、特に高齢者や重症化リスクの高い方では、接種によって得られるメリットが大きいと考えられています。

年齢だけでなく、基礎疾患、これまでの接種歴、新型コロナへの感染歴、過去の副反応などによっても判断は変わります。

特に、

「何度も接種しているけれど、今年も必要?」
「以前の接種で副反応が強かった」
「最近コロナに感染したけれど、接種したほうがいい?」
「持病があるので、自分は接種したほうがいいの?」

など、迷われる方も少なくないと思います。

当院では、一律に接種をおすすめするのではなく、お一人おひとりの年齢や基礎疾患、これまでの接種歴などを確認しながらご相談いたします。

新型コロナワクチンは、感染を100%防ぐためのものではありません。

特に高齢者や基礎疾患のある方にとって、感染したときの重症化や入院のリスクをできるだけ小さくするための選択肢の一つとして、2026年度の接種を検討していただければと思います。

川崎市中原区、武蔵新城でコロナワクチン接種について迷われている方は、どうぞお気軽にご相談ください。

 

当院のワクチン 料金表

 

参考

日本感染症学会・日本呼吸器学会・日本ワクチン学会

「2026年度の新型コロナワクチン定期接種に関する見解」(2026年9月1日)

 

川崎市健康安全研究所 感染症情報センター
川崎市感染症情報発信システム(KIDSS)COVID-19リアルタイムサーベイランス(2026年第35週)