もし家族がインフルエンザウイルスにかかったら ~お薬で発症リスクを下げる「予防投与」のご案内~
- 公開日:2026年9月24日
- 更新日:2026年9月24日
- ワクチン・感染症

「家族がインフルエンザにかかってしまった」
「高齢の家族と同居しているので、できるだけ感染を避けたい」
「受験や仕事など、どうしても外せない予定を控えている」
このようなとき、まず大切なのは家庭内での基本的な感染対策です。
そのうえで、状況によっては抗インフルエンザ薬を使用して発症リスクを下げる「予防投与」を検討することがあります。
家族がインフルエンザにかかってしまったら
~まず行いたい一般的な予防策~
ご家族がインフルエンザを発症した場合は、家庭内で感染を広げないため、まず以下のような対策を心がけましょう。
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できるだけ接触を減らす
可能であれば寝室や生活スペースを分け、近い距離で過ごす時間を減らしましょう。 -
こまめに手洗いをする
流水と石けんによる手洗いや、アルコールによる手指消毒を行いましょう。 -
マスク・咳エチケットを心がける
咳やくしゃみがある方はマスクを着用し、看病などで近い距離で接する場合は、看病する方もマスクを着用しましょう。 -
こまめに換気する
窓や換気扇などを利用して、室内の空気を定期的に入れ替えましょう。 -
乾燥を避ける
空気が乾燥する時期には、室内の湿度を50~60%程度に保つことも感染対策のひとつです。
こうした対策を行っても、同居しているご家族では接触を完全に避けることが難しい場合があります。
そのような場合に、状況に応じて抗インフルエンザ薬による予防投与を検討することができます。
当院でのインフルエンザ予防投与について
当院では、16歳以上(高校生)の方を対象に、自費診療によるインフルエンザ予防投与を行っています。
インフルエンザを発症した方との接触状況、基礎疾患、健康状態、服用中のお薬などを確認し、予防投与が適切かどうかを医師が個別に判断します。
予防投与は、インフルエンザを発症した方との接触後、できるだけ早く、原則として48時間以内に開始することが重要です。
抗インフルエンザ薬による予防投与には、インフルエンザの発症リスクを低下させる効果が報告されています。
ただし、予防投与を行っても発症を100%防げるわけではありません。
また、抗インフルエンザ薬による予防投与は、インフルエンザワクチンに代わるものではありません。
どのような場合に相談できますか?
抗インフルエンザ薬の添付文書では、予防投与は、インフルエンザ患者の同居家族・共同生活者のうち、インフルエンザにかかった場合に重症化するリスクが高い方が原則的な対象とされています。
例えば、
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65歳以上の方
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慢性の呼吸器疾患がある方
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慢性心疾患がある方
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糖尿病などの代謝性疾患がある方
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腎機能障害がある方
などです。
また、当院には次のような方からご相談いただくこともあります。
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高齢のご家族と同居している方
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ご家族の介護を行っている方
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受験など大切な予定を控えている方
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仕事や出張など、どうしても外せない予定を控えている方
これらに該当する方すべてが予防投与の対象になるわけではありません。
インフルエンザ患者との接触状況や基礎疾患、健康状態などを確認したうえで、医師が個別に判断します。
※重症化リスクが高くない方への予防投与は、薬剤や状況によって承認された予防適応の範囲外となる場合があります。その場合は診察時にご説明したうえで判断します。
お薬の種類・費用について
インフルエンザの予防目的で抗インフルエンザ薬を使用する場合は、健康保険の対象とはならず、**自由診療(全額自己負担)**となります。
当院での診察代:3,000円(税込3,300円)
お薬代は別途、調剤薬局でお支払いいただきます。
| お薬 | 使い方 | 特徴 | 主な副作用 | 薬局でのお支払い目安 |
|---|---|---|---|---|
| オセルタミビル |
通常75mgを1日1回内服 7~10日間 |
使用実績の多い内服薬で、他剤に比べ安価 | 嘔吐、下痢、腹痛など。腎機能により用量調整が必要な場合あり | 約1,500~2,500円 |
| ラニナミビル | 40mgを1回吸入 | 1回の吸入で終了 | 下痢、頭痛など。呼吸器疾患がある方では気管支攣縮などに注意が必要 | 約4,500~5,500円 |
| バロキサビル マルボキシル | 1回内服 80kg未満:40mg 80kg以上:80mg |
1回の内服で終了 | 下痢など。まれにアレルギー反応などが報告されている | 約5,000~6,000円 |
※上記の金額は目安です。処方内容や調剤薬局によって実際のお支払い額は異なります。
※オセルタミビルは、ジェネリック医薬品を使用した場合を想定した費用です。
※副作用は上記に限りません。持病、腎機能、体重、服用中のお薬などを確認したうえで薬剤を選択します。
受診される前にご確認ください
1.接触後48時間以内にご相談ください
予防投与は、インフルエンザを発症した方との接触後、できるだけ早く開始することが大切です。
原則として、接触後48時間以内にご相談ください。
48時間を超えてから開始した場合の予防効果については、十分なデータがありません。
2.予防薬を使用するご本人の診察が必要です
予防投与を行う際には、健康状態、基礎疾患、腎機能、服用中のお薬、インフルエンザ患者との接触状況などを確認します。
そのため、原則として予防薬を使用するご本人の診察が必要です。
3.すでに症状がある場合は「予防投与」ではありません
すでに、
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発熱
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咳
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のどの痛み
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強い倦怠感
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関節痛・筋肉痛
など、インフルエンザを疑う症状がある場合は、予防投与ではなく通常の診療として対応します。
ご予約・ご来院の際には、症状があることをお知らせください。
4.予防投与をしても100%防げるわけではありません
予防薬を使用していても、インフルエンザを発症することがあります。
予防投与後に発熱、咳、のどの痛み、強い倦怠感などの症状が出た場合には、医療機関へご相談ください。
受診の流れ
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ご来院
受付で「インフルエンザの予防投与を希望」とお伝えください。 -
診察
インフルエンザ患者との接触状況、健康状態、基礎疾患、服用中のお薬などを確認します。 -
予防投与の適否とお薬を決定
予防投与が適切かどうかを判断し、健康状態や体重、ご希望などを考慮して薬剤を選択します。 -
お会計・お薬のお受け取り
当院で診察代 **3,300円(税込)**をお支払いいただき、処方箋をお受け取りください。
その後、調剤薬局でお薬を受け取り、医師・薬剤師の指示に従って使用してください。
インフルエンザの予防投与をご希望の方へ
もし、川崎市中原区や、武蔵新城駅周辺に住んでいる方で、ご家族がインフルエンザと診断され、
「高齢の家族と同居している」
「家族の介護をしている」
「受験や仕事など大切な予定を控えている」
など、インフルエンザ予防投与について相談したい場合は、接触後できるだけ早めに当院へご相談ください。
予防投与の適否は、インフルエンザ患者との接触状況や健康状態などを確認したうえで、医師が個別に判断します。
参考文献・参考サイト
本ページは、以下の公的資料・添付文書・医学論文等を参考に作成しています。
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独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)
「オセルタミビルリン酸塩 添付文書」 -
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)
「ラニナミビルオクタン酸エステル水和物 添付文書」 -
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)
「バロキサビル マルボキシル 添付文書」 -
Effectiveness of oseltamivir in preventing influenza in household contacts: a randomized controlled trial.
JAMA. 2001;285(6):748-754.
doi: 10.1001/jama.285.6.748 -
Baloxavir Marboxil for Prophylaxis against Influenza in Household Contacts.
N Engl J Med. 2020;383(4):309-320.
doi: 10.1056/NEJMoa1915341
※医薬品の適応、用法・用量および安全性情報については、最新の電子添文等をご確認ください。