インフルエンザのワクチンって効果あるの?かかった時どうすればいいの?
- 2024年10月22日
- ワクチン
- インフルエンザとは
インフルエンザ(infuluenza)は、インフルエンザウイルスを病原とする感染症のことです。
日本でのインフルエンザの発生は毎年11月下旬から12月上旬に始まり、翌年の1~3月頃に患者数が増加していきます。
インフルエンザの流行の大きい年には、インフルエンザ死亡者数及び肺炎死亡者数が著しく増加します。さらに循環器疾患をはじめとする各種の慢性の基礎疾患を起因とする死亡者数も増加することで、結果的に全体的な死亡者数が増加するこが明らかになっています。
特に高齢者がこの影響を受けやすいとも言われています。
- インフルエンザの症状は?
インフルエンザの潜伏期間は2~3日が多く、5日までの症状が見られることが多いと言われています。
主な症状としては、38℃以上の高熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛、関節痛などが突然現れ、咳や鼻水などの上気道炎症状が続いて出現します。
約1週間程度の経過で軽快するといわれています。
しかし、高齢者や年齢を問わずに基礎疾患を持つ方は原疾患の憎悪と共に呼吸器に二次的な細菌感染症を引き起こしやすくなることが知られており、入院や死亡の危険性が増加します。
- インフルエンザにかかってしまったら?
インフルエンザの主な感染経路は、感染している人のくしゃみや咳を吸い込むことによる飛沫感染です。
インフルエンザにかかってしまった場合は、まずマスク着用等の咳エチケットを徹底し周囲の人への感染を防ぐようにしましょう。そして、安静にして休養を取りましょう。
同居している家族内にインフルエンザの感染者が出た場合は、可能な範囲で感染者の隔離を行うようにしましょう。インフルエンザの流行に家庭内感染は大きな役割を果たしていると言われています。
当院では感染した方は下記のように説明し、自宅療養を指示しております。
- インフルエンザの予防方法
インフルエンザの予防方法としては、①インフルエンザ流行前のワクチン予防接種、②外出後の手洗いうがい、③適度な湿度の保持、④十分な休養とバランスの取れた栄養摂取、⑤インフルエンザが流行してきた際は可能な範囲で人混みはさけ、困難な場合はマスク着用をする、等が予防策としてあげられます。
★インフルエンザの予防接種は当院でも毎年行っています。
- インフルエンザワクチンの有効性は?
アメリカではワクチン接種株と流行株とが一致している場合には65歳以下の健常成人での発症予防効果は70-90%と言われています。高齢者は、60歳以上での発症予防効果は58%程度、70歳以上ではさらに低下するであろうと報告されています。
インフルエンザワクチンは接種からその効果が現れるまで通常約2週間程度かかり、約5か月間その効果が持続するとされています。そのため、日本では12月上旬までに接種を完了することが推奨されています。
13歳以上の方は1回接種を原則としていて、1回の接種で2回接種と同等の抗体価の上昇が得られるとの報告があります。
日本臨床内科医会ではワクチンの有効性に関する前向き研究が実施されています。この研究は12月末までのワクチン接種者と、背景が似ている非接種者を事前登録し4月末までに被登録者が実際にインフルエンザ罹患したか否か、および副反応の発現状況が報告されています。
この研究によると、最新(2019-2020年)の結果ではワクチン接種者と比較して、非接種者のインフルエンザ罹患数の方が概ねどの年齢層でも高い事から、ワクチンは有効と考えられています。(グラフ参照)
- インフルエンザワクチンの副反応は?
現行のインフルエンザワクチンは、副反応は少なく安全性は高いとされています。
一般的には副反応は軽微で10-20%で接種局所の発赤、腫脹、疼痛をきたす事がありますが2-3日で消失します。
全身性の反応としては、5-10%で発熱、頭痛、悪寒、倦怠感等が見られますが、通常は軽微で2-3日で消失します。
★インフルエンザワクチンの接種希望のある方は、遠慮なくご相談ください。
引用:
- インフルエンザ、COVID-19診療マニュアル2023-2024年シーズン版(第18版/1版)
- 厚生労働省インフルエンザQ&A(令和3年度)
- 国立感染症研究所 インフルエンザとは
- 一般社団法人 日本環境感染学会 医療関係者のためのワクチンガイドライン第3版