睡眠時無呼吸症候群の検査結果について ~RDI・ODIとは?~
- 公開日:2025年6月11日
- 更新日:2026年10月8日
- 生活習慣病

「朝起きてもスッキリしない」「日中に強い眠気がある」「いびきを指摘された」——
そんな症状がある方は、「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」の可能性があります。
今回は、当院でも行っている検査や治療の流れについて、特に RDI・ODIの指標 を中心に解説します。
💤 睡眠中に何が起きているの?
睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に呼吸が止まる「無呼吸」や、呼吸が浅くなる「低呼吸」を繰り返す病気です。
成人では、喉の空気の通り道が狭くなったり塞がったりする「閉塞性睡眠時無呼吸」が多くみられます。肥満だけでなく、あごの形や扁桃の大きさなども関係するため、やせている方にも起こります。
いびきや睡眠中の呼吸停止のほか、朝の頭痛、日中の眠気、集中力の低下などが受診のきっかけになります。
⚠ 放っておくと危険です!
無呼吸や低呼吸を繰り返すことで体に大きな負担がかかります。
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高血圧・心疾患・糖尿病・脳卒中 のリスク増加
→ 低酸素状態が交感神経を刺激し、血圧や血糖を上昇させます。
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居眠り運転などの事故リスク
→ 睡眠が断片化し、深い眠りがとれなくなることで、日中の覚醒レベルが低下します。
🏠 まずは、ご自宅でできる「簡易検査」
睡眠時無呼吸が疑われる場合には、診察のうえで、自宅で行える簡易検査を検討します。
小型の検査機器を装着して一晩眠り、睡眠中の呼吸の状態や、血液中の酸素の状態を表す酸素飽和度(SpO₂)、脈拍などを記録します。当院の機器では鼻や指先などにセンサーを装着します。
入院せず、普段の寝室で検査を受けられることが特徴です。検査後は記録を解析し、医師が症状と検査結果を合わせて、追加検査や治療の必要性を判断します。
簡易検査で、すべてがわかるわけではありません
一般的な簡易検査では脳波を測定しないため、実際に眠っていた時間や、睡眠の深さを正確には把握できません。そのため、無呼吸の程度が実際より軽く評価される場合があります。
数値が低くても症状が強い場合や、十分な記録が取れなかった場合には、精密検査であるPSGを検討します。
📊 検査指標「RDI」と「ODI」って何?
検査結果には、呼吸の乱れや酸素の低下を表す指標が記載されます。いずれも基本的に「1時間あたりの回数」ですが、数えている内容や、計算に使う時間が異なります。
| 指標名 | 意味 | 正常範囲 | 内容 |
|---|---|---|---|
| RDI(呼吸障害指数) | 呼吸の乱れの頻度 | 5未満 | 無呼吸・低呼吸に加え、呼吸のしづらさに伴う短い覚醒反応も含めて数えます。 |
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ODI(酸素飽和度低下指数) |
酸素が下がった回数 | 5未満 | 酸素飽和度が一定以上低下した回数です。低下の判定基準により「3%ODI」「4%ODI」などと表示されます。 |
| AHI(無呼吸低呼吸指数) | 睡眠中に呼吸が止まる・浅くなる頻度 | 5未満 | 実際に眠っていた1時間あたりの、無呼吸と低呼吸の合計回数です。主にPSGで測定し、重症度の評価に用います。 |
🧭 重症度の目安と治療の方向性
| 重症度 | RDI/ODI | 臨床的な対応 |
|---|---|---|
| 正常 | <5 | 治療不要 |
| 軽症 | 5〜14 | 経過観察、生活習慣の見直し |
| 中等症 | 15〜29 | マウスピースやCPAPを検討 |
| 重症 | 30以上 | 治療が強く推奨されます |
この表はAHIによる分類であり、ODIにそのまま当てはめるものではありません。また、治療方針は数値だけではなく、眠気や日常生活への影響、合併する病気などを踏まえて決めます。
🧪 PSG(ポリソムノグラフィ)検査について (2026年6月より 下記へ変更)
PSG(終夜睡眠ポリソムノグラフィ)は、睡眠中の呼吸だけでなく、睡眠そのものの状態を詳しく調べる検査です。
呼吸や酸素飽和度に加え、脳波・心電図・筋電図・眼球運動などを記録します。これにより、実際に眠っていた時間、睡眠の深さ、睡眠がどの程度妨げられているかを評価できます。
以下の条件に該当する場合は、精密検査である「PSG(終夜睡眠ポリソムノグラフィ)」をおすすめしています。
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RDIまたはODIが15以上
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日中の強い眠気や業務上の支障がある
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保険適応でCPAP導入を検討する場合
PSGでは、脳波・心電図・筋電図・眼球運動などを測定し、「AHI(無呼吸低呼吸指数)」を用いた総合評価が可能です。
💡 治療方法の選択肢
軽症~中等症
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生活指導(減量・禁酒・仰向け寝の回避)
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マウスピース(口腔内装置)
中等症~重症
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CPAP(シーパップ:持続陽圧呼吸療法)
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耳鼻科的手術(鼻閉などが原因の場合)
生活習慣の改善・寝る姿勢の工夫
肥満のある方は、食事や運動を見直し、無理のない減量を目指します。また、特に就寝前の飲酒を控えることも大切です。仰向けで無呼吸が増える方には、横向きで寝る方法を検討します。
生活習慣の改善は、軽症の方だけでなく、CPAPなどの治療を受ける方にも大切です。
マウスピース(口腔内装置)
睡眠時に専用のマウスピースを装着し、下あごを前方に保つことで、空気の通り道を広げる治療です。主に軽症〜中等症の方や、CPAPの使用が難しい方などで検討します。作製にあたっては、歯やあごの状態も確認します。
耳鼻咽喉科での治療
鼻づまりや扁桃肥大などが関係している場合は、必要に応じて耳鼻咽喉科で評価し、治療や手術を検討します。手術の適応は、原因となる部位や期待できる効果などを踏まえて判断します。
CPAP(シーパップ:持続陽圧呼吸療法)
睡眠時にマスクを装着し、機器から空気を送り込むことで、空気の通り道が塞がるのを防ぐ治療です。主に中等症〜重症の方で検討します。保険診療での導入には、検査結果や自覚症状などの条件があります。
🏥 CPAP治療と保険適応について (2026年6月より 下記へ変更)
✅ 原則として保険適応となる条件:
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AHIまたはRDIが30以上
✅ 条件付きで保険適応となる場合(医師の判断):
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AHIが15〜29の方で以下のような状況がある場合
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日中の強い眠気(ESSスコア高値)
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車の運転や機械操作など職業上のリスクが高い
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簡易検査で、無呼吸・低呼吸の指数が30以上の場合
日中の強い眠気や起床時の頭痛などによって日常生活に支障がある場合は、PSGを追加せずに、保険診療でCPAP治療を開始できることがあります。
精密検査(PSG)で、AHIが15以上の場合
自覚症状とPSGの結果を確認し、所定の条件を満たす場合に保険適用となります。
特にAHIが15以上30未満の場合は、日常生活に支障を来す自覚症状に加え、PSGで無呼吸に伴う睡眠の分断や深い睡眠の著しい減少などが認められ、CPAPによって改善することなどの条件があります。
検査結果と症状を確認し、一人ひとりに合った治療をご提案します。
📝 最後に いびき・日中の眠気が気になる方へ
当院では、ご自宅で行える簡易検査を実施し、必要に応じて連携医療機関でのPSG検査をご案内しています。検査結果や症状に応じて、生活習慣の改善からCPAP治療までご相談いただけます。
「いびきが大きいと言われる」「寝ている間に呼吸が止まっていると指摘された」「日中の眠気が気になる」——そんなお悩みがある方は、お気軽にご相談ください。