酒は飲んでも太らないって本当?血糖値はどうなるの?|武蔵新城駅の内科・糖尿病内科・内分泌内科|おばな内科クリニック

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医療コラム

酒は飲んでも太らないって本当?血糖値はどうなるの?|武蔵新城駅の内科・糖尿病内科・内分泌内科|おばな内科クリニック

酒は飲んでも太らないって本当?血糖値はどうなるの?

酒は飲んでも太らない?

酒は飲んでも太らない、糖質が入っていなければ大丈夫、などと聞いたことがあると思います。酒について、正しく理解していきましょう。

酒のカロリーは?

アルコールには、1gあたり7kcalあります。糖質は1gあたり4kcal、脂質は1gあたり9kcal、たんぱく質は1gあたり4kcalであり、それらと比べても、カロリーは高い方であることがわかります。
しかし、アルコール自体のエネルギーは、糖質、脂質、たんぱく質と異なり、身体に蓄えられづらい性質があるため、実際の影響は1gあたり5kcal程度と言われています。

参考:アルコールのエネルギー(カロリー)|e-ヘルスネット

酒を飲んだら太る?

どのような酒でも、アルコール自体にカロリーがあるので、体重が増える可能性があります。糖質が含まれている酒は、アルコールのカロリーに加え、糖質のカロリーが加わるため、カロリーが大きくなり、さらに体重には影響が出やすいです。カロリーの差はありますが、どのような酒でも、飲み過ぎは体重増加につながりやすいです。

また、つまみによるカロリー過剰が問題となることもあります。アルコールには、食欲増進効果があり、ついつい食べ過ぎてしまいます。つまみに、揚げ物などの脂っこいもの、〆にラーメン、などを食べると、酒のカロリーに加え、つまみからのカロリーが追加されるので、体重コントロールには、つまみの量や内容にも注意が必要です。

酒の糖質は?血糖値が上がりやすい酒はあるの?

ビール、日本酒のように、糖質が含まれていると、血糖値に影響があります。さらに、糖質が多く含まれるリキュールをオレンジジュースなどで割ったカクテルは、吸収の早い糖が含まれているものが多く、血糖値が上がるスピードも速くなります。

日本食品標準成分表

参考出典:文部科学省 日本食品標準成分表2020年度版(八訂)

酒の適量は?

1日平均純アルコールとして、約20g程度までとされています。女性や高齢者、酒に弱い人は、より少ない量が望ましいです。翌日に持ち越さない程度を目安にしましょう。
適量とは、飲んだ酒の量ではなく、どのくらい純アルコールを摂取したか、が基準となります。よく飲む酒の純アルコール量を把握し、適切な量となっているか、計算して確認してみましょう。

酒に含まれる純アルコール量の算出式

酒の量 × (アルコール度数% × 100) × 0.8 = 純アルコール量(g)

例:ビール中瓶またはロング缶1本の純アルコール量(アルコール濃度5%)
       500(ml)×0.05×0.8=20(g)

参考:飲酒量の単位|e-ヘルスネット

さらに、週2日の休肝日をつくることも推奨しています。
量を減らしたり、休肝日を設けたりすることがどうしても難しい方は、ノンアルコール製品などを活用して工夫しても良いでしょう。

主食の代わりにアルコールを摂取するのはダメなの?

食事を減らしてアルコールを代わりに摂取することは、健康に深刻な悪影響を与えるため おすすめできません。

①栄養不足を招く

アルコールは必要な栄養素を含みません。栄養不足により、疲労感、筋力低下、免疫力低下、貧血や骨粗しょう症のリスクが増加することが報告されています。

②栄養消耗

アルコール代謝にはビタミンB1、葉酸、ビタミンB12、亜鉛、マグネシウムが消費されます。これらの不足が神経障害や筋力低下、免疫低下を引き起こします。

肝臓への負担

過剰摂取は脂肪肝や肝硬変を引き起こし、解毒機能が低下します。

④精神的・社会的リスク・アルコール依存症のリスク

食事の代替としての習慣化は依存症を招き、精神的・身体的に悪影響を及ぼします。
長期的にうつ病や不安を悪化させ、家庭や職場で問題を引き起こします。

⑤代謝・体重管理への影響

血糖値の上昇や筋肉量の低下を招き、体重が増えることもあります。

健康に気を付けながら、お酒を楽しむためのコツは?

  1. 適量を守る
  2. 休肝日を週2日設ける
  3. 酒と一緒に水分をしっかりとる
  4. 糖質が含まれている酒は、最小限にする
  5. つまみはなくす(夕食と一緒に酒を飲むなどで工夫する)
  6. つまみを食べる場合は、枝豆、冷や奴、焼き鳥、刺身、焼き魚、お茶漬けなど、カロリーが少ないものを選ぶ

酒の影響は、体重、血糖値、尿酸値、血圧など多岐にわたります。ご自身の適量がわからないなど、ご不安なことがあれば、当院の医師や栄養士へ相談ください。個別にアドバイスさせていただきます。

当院では、管理栄養士による栄養指導を行っております。
希望のある方は、いつでもご相談ください。