RSウイルスのワクチンについて|おばな内科クリニック|武蔵新城駅の内科、糖尿病内科、内分泌内科

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医療コラム

RSウイルスのワクチンについて|おばな内科クリニック|武蔵新城駅の内科、糖尿病内科、内分泌内科

RSウイルスのワクチンについて

RSウイルス感染症とは?大人もかかるの?RSウイルスのワクチンって?

 

RSウイルス感染症とは?

RSウイルス(respiratory syncytial virus)による感染症のことです。

2歳までにほぼすべての子供がRSウイルスに感染するとされていて、主に細気管支炎、肺炎を発症します。

症状は、鼻汁・咳などから始まり、その後、発熱や喘鳴・呼吸苦が出現する可能性があります。

感染経路は、接触感染や飛沫感染です。

有効な治療方法はなく、基本的には対処療法が中心になります。

 

大人もかかるの?

RSウイルスは、子供が感染するということで有名な病気ですが、実は、すべての年齢層で風邪のような症状を引き起こすウイルスです。

健康な成人ではRSウイルスに感染しても軽症で自然軽快します。しかし、喘息、COPD心疾患、糖尿病、慢性腎臓病など慢性の基礎疾患がある高齢者は肺炎を引き起こし、入院・死亡の原因となります。

特に介護施設などで集団感染が発生しやすいとされています。

大人も子供と同様に有効な治療法がなく対処療法が中心となります。

 

  • 基礎疾患のない方と比較したRSウイルス感染症による入院率

  喘息     : 約2~3.6倍

  COPD    : 約3.2~13.4倍

  冠動脈疾患  : 約3.7~7.0倍

  うっ血性心不全: 約4.0~33.2倍

  糖尿病    : 約2.4~11.4倍

 

RSウイルスのワクチンって?

60歳以上の方を対象に【アレックスビーⓇ】というワクチンが20241月より販売開始となりました。

 

アメリカでのデータによると、60歳以上の約25000人を対象とした研究で

RSウイルス感染を発症する確率が約1/41/5になる(有効性74.682.58%)

RSウイルス感染による入院が約1/5に抑える(有効性76.4%)

酸素や人工呼吸を必要とするほどの重症化を約1/5に抑える(有効性76.4%)

と報告されています。

 

上記の入院率を考慮すると

60歳以上で、喘息・COPDなどの呼吸器疾患、心不全・冠動脈疾患などの心疾患、糖尿病の方はワクチン接種が推奨されます。

また、免疫が低下している方、介護施設に入所されている方,小さいお子さんと同居中の方も接種をお勧めしております。

そもそも、有効な治療がないため、RSウイルスに対する手段はワクチンしか現状ありません。

RSウイルスワクチン接種希望の方、気になる方は、当院へご相談ください。

 

引用:

・厚生労働省RSウイルス感染症Q&A(令和6年1月15日改訂)

https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/rs_qa.html

・Grading of Recommendations, Assessment, Development, and Evaluation (GRADE): GSK RSVPreF3 Vaccine (AREXVY)

https://www.cdc.gov/vaccines/acip/recs/grade/GSK-Adjuvanted-RSVPreF3-adults.html#table-3a

・Branche AR et al:Clin Infect Dis 2022;74(6), 1004‐1011