コレステロールを下げる食事や運動は?
- 2025年4月1日
- 食事・栄養
コレステロールとは、血液中に含まれる脂質のひとつです。
今回は、LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪など、血液中に含まれる脂質について、食事や運動による改善ポイントをご紹介します。
脂質異常症とは?
血液中の脂質には、LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪(トリグリセライド)などがあります。血液中の脂質の異常を総称して、「脂質異常症」といいます。
これらは、動脈硬化を進展させ、放置すると、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクが高まります。
参考: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-004.html
脂質異常症予防のためのポイント
・体重を見直しましょう
体重が増えると、内臓脂肪が増加し、脂質の数値が悪化しやすくなります。
ご自身の適正体重を見直し、食べすぎていないか、運動不足ではないか、確認していきましょう。
適正体重は以下で求められますが、個人差が大きいので、個別で設定することもあります。
適正体重(kg):身長(m)×身長(m)×22
あなたの適正体重は kg です。
・3食規則正しく、バランスよく食べましょう
毎食、「主食+主菜+野菜」を揃えた食事を意識しましょう。
主食である白米を抜くと、肉などの主菜が多くなりやすくなります。
白米は脂質がほとんど含まれていませんが、肉類は脂質が多く含まれるため、主菜の食べすぎは、脂質の過剰摂取につながります。
また、野菜に含まれる食物繊維は、コレステロールから作られる胆汁酸の便中への排泄を促します。結果として、血液中のコレステロールを下げる可能性があると言われています。
それぞれを適量ずつ食べることで、脂質の過剰な摂取を抑えることができます。
毎食、バランスよく食べられているか、見直してみましょう。
数値別、食事や運動の工夫は?
・LDLコレステロールが高い方
飽和脂肪酸、トランス脂肪酸の摂り過ぎに気を付けましょう。
脂肪酸とは、脂質に含まれる種類のひとつです。その中でも飽和脂肪酸、トランス脂肪酸は、LDLコレステロールの上昇に特に関わるため、過剰に摂取していないか、確認していきましょう。飽和脂肪酸は主に動物性脂肪、トランス脂肪酸は加工食品に、多く含まれます。
飽和脂肪酸が多いもの・・・
豚バラ肉、ひき肉、鶏皮、肉の脂身、バター、ラード、生クリーム など
→肉は、ささみ、鶏胸肉、豚ヒレ、豚もも肉に変更すると、脂質を減らすことができます。
牛乳、生クリームを多く使った料理が頻繁ではないかも、注意していきましょう。
トランス脂肪酸が多いもの・・・
ファーストフード、マーガリン、クッキー、菓子パン、スナック菓子、インスタントラーメン など
→できるだけ菓子類やインスタント食品を減らしましょう。パンであれば、食パン、ロールパンなどに変更することがおすすめです。
※食品に含まれるコレステロールは気を付けた方がいいの?
鶏卵、レバー、いくらなどは、含まれるコレステロール量が多いですが、飽和脂肪酸と比べると、血液中のLDLコレステロールを上昇させる影響は少ないと言われています。厳格な制限は必要ありませんが、食べ過ぎは避けましょう。
・中性脂肪(トリグリセライド)が高い方
エネルギーの過剰が原因となっていることが多いです。適正エネルギー量、体重を確認しましょう。
そして、間食、加糖飲料、食事量、飲酒量が多くないか、見直してみましょう。
1日の適正エネルギー量(kcal):標準体重(kg)×25~30(kcal/kg)
あなたの適正エネルギー量は kcal です。
間食は、1日100kcal以内、夕食後は避ける、などと量や時間を決めるとコントロールしやすいです。
酒を飲む方は、1日1合まで、週2日の休肝日を設けましょう。
また、青魚に含まれる多価不飽和脂肪酸には、中性脂肪を下げる働きがあると言われているので、積極的に取り入れましょう。
青魚・・・鯖、アジ、さんま、いわし など 缶詰の使用も可
・HDLコレステロールが低い方
体重の見直し、運動の実施が効果的と言われています。適正体重やエネルギー量を見直してみましょう。
運動は、毎日30分以上、または週3回50分以上を目安に運動ができるよう心がけましょう。
参考:https://www.nibiohn.go.jp/eiken/programs/2011mets.pdf
脂質異常症の予防、悪化を防ぐためには、日頃から、食事や運動に気を付けていきましょう。しかし、脂質異常症は、肥満、食事のみならず、体質などの影響があることもあります。健康診断などで高めだった際は、受診をし治療方針を相談していきましょう。