塩分って1日どれくらい摂ればいいの?汗をかいた時、塩分の補給は必要なの?|武蔵新城駅の内科・糖尿病内科・内分泌内科|おばな内科クリニック

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医療コラム

塩分って1日どれくらい摂ればいいの?汗をかいた時、塩分の補給は必要なの?|武蔵新城駅の内科・糖尿病内科・内分泌内科|おばな内科クリニック

塩分って1日どれくらい摂ればいいの?汗をかいた時、塩分の補給は必要なの?

高血圧の患者さんから、汗をかいたときの塩分補給について、質問が多く聞かれます。汗をかいたときの塩分補給は必要なのか、または不要なのか、確認していきましょう。

汗によってどのくらい塩分が出ていくの?

汗に含まれる塩分濃度は、0.3~0.4%程度です。このため、大量に汗をかくと水分と一緒に塩分が同時に失われます。 汗の量は、スポーツ・季節・運動量・個人差などの影響はありますが、1時間の通勤(27℃)で200ml(塩分0.6g)程度、4.7時間のゴルフ1R(23~32℃)で1075ml(塩分3.2g)の汗をかくと言われています。

参考:「運動と栄養」を中心とした研究開発 | 大塚製薬 参考:ゴルフプレー中の暑熱障害発生に及ぼす脱水の影響 | 寄本 明

1日に必要な塩分量は?

成人の1日に必要な塩分量は男性7.5g未満、女性6.5g未満とされています。 高血圧のある方はさらに厳しくなり、男女ともに6g未満とされています。

参考:「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書|厚生労働省 (mhlw.go.jp) 参考:減塩・栄養委員会|日本高血圧学会 (jpnsh.jp)

実際、塩分はどのくらいとっているの?

日本人は、世界でも有数の塩分摂取の多い国です。塩・しょうゆ・味噌などの塩分の多い調味料を使うことが多いため、塩分を摂りすぎている傾向にあります。 実際には、平均で男性10.9g、女性9.3g摂取しているというデータがあります。つまり、日本人の食事を食べていれば6gを越えてしまいます。

塩分接種量

参考:令和4年国民健康・栄養調査 結果公表|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

では、塩分をとりすぎるとどうなるの?

一つ目にむくみやすくなります。塩分をとりすぎると血液中のナトリウム濃度が高くなります。それを薄めようと水分を溜め込みます。この状態がむくみです。 二つ目に血圧が上がりやすくなります。血液中に水分を溜め込んだ状態が続き、血管に負担がかかると高血圧のリスクが高まると言われています。また、高血圧を放置すると動脈硬化・心臓病・脳血管の病気・腎臓病などにつながってしまいます。 そのため、普段の生活だけでなく、汗をかいたからといって塩分のとりすぎてしまうことには注意が必要です。

汗をかいたとき、塩分の補給は必要?

通常通り食事がとれており、通勤、軽い運動程度であれば私たちは実際の摂取量から必要量以上に塩分をとっているため、健康な方・血圧が高い方も、汗をかいたときの塩分補給は基本的には不要な場合が多いです。 ただし、夏バテなどで食事が充分にとれていないときは、食事から必要量を確保できていない可能性があるので、塩分はもちろん、他の栄養素も補給を検討する必要があります。 特に、激しい運動時や炎天下での作業時は、熱中症のリスクがありますので塩分の損失に注意しましょう。 汗には、塩分だけでなくカリウムなどの他の栄養素も含まれています。大量に汗をかいた時は、それらを含んでいる飲料などで補給しても良いでしょう。

スポーツドリンクでの補給はいいの?

スポーツドリンクは塩分、カリウムなど汗で失われやすい栄養素が含まれています。さらに、失われた水分や栄養素を素早く体に取り込むために吸収スピードなどにも配慮された濃度に調整されているので、それらを活用する方法もあります。 ただし、飲みやすくするために糖分が多く含まれており、一般的なスポーツドリンクであれば500mlあたり約31g(角砂糖 9個分)、いわゆるOS-1といわれる経口補水液は500mlあたり約9g(角砂糖 3個分)が含まれています。 このため、高血圧・糖尿病・腎臓病などの食事制限のある方は、医師へご相談ください。

通勤、軽い運動で汗をかいた時はどうすればいいか?

水、お茶などの水分を摂りましょう。 水分は汗をかいた時のみならず、皮膚からの蒸発、尿、便などへも失われています。そのため、こまめに水分をとることが大切です。 また、日頃から3食しっかり食事をする、ゆっくり寝る、などの暑さに負けない身体づくりを行うことも熱中症対策につながります。

水分の摂り方は、尿の色を目安にする方法があります。

「尿の色で脱水症状チェック」より

汗の量は人によって大きく異なります。さらに、温度・湿度・年齢・食事・塩分摂取量・活動量・塩分感受性・血圧などによっても塩分補給が必要かを考慮する必要があります。 現在のご自身の塩分量や血圧など、ご不安なことがあれば、当院の医師や栄養士へ相談ください。 個別にアドバイスさせていただきます。

当院では、管理栄養士による栄養指導を行っております。
希望のある方は、いつでもご相談ください。